「よーし! 紅次郎、あたしと打ってくれる?」
「…いいぞ」
夏VS暦のバトルはまだ終わりそうにないから、先に紅次郎と打ってよう。
日陰から日なたに出たとたん、汗がじわりと出てくる。
「ふぃー暑っちぃー」
「大丈夫か、遼」
「余裕、よゆう!」
眉間に皺を寄せた怖い顔で、お母さんみたいに心配してくれる紅次郎を見ていると、なんだかおもしろくなってきた。
「汗かいたらちゃんと拭かないと、風邪ひくぞ」
「わふっ…な、何…」
紅次郎は白いタオルを持ってくると、あたしの髪をゴシゴシと乱暴に拭きはじめた。
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