「あー、綺麗!!」
「だろ」
「うん!ていうか、よくこんなの見つけたね」
あたしは手のひらにちょこんと可愛らしく載っている貝殻を見つめる。
透き通るような白に、薄いピンクがグラデーションになっていて、すごく可愛い。
「さっき海辺で踏みそうになった。綺麗だったからそのままにしとくのもなんだったからな…お前にやろうと思って」
そのとき、凛が少し微笑んだ気がした。
金色なのに少しも傷みを感じさせない髪と合わせて、その笑顔はキラキラして見えた。
…なんか、変なフィルターでもかかってるのかな、あたしの目に。
なんでこんなキラキラしてんの?
あたしもおかしい。
理由は分からないまま、もう一度あたしは貝殻に視線を移す。
「凛って意外とロマンチストかも」
「はー?」
「だってさ、金髪で怖そうなのにさ、こうやって女の子に貝殻とかあげちゃうんだよ」
「うっせ!悪いかよ…」
「全然。ただ、女の子の扱い上手そうだよね。モテてたでしょ」
あたしは大して意識もせずにこの言葉を口にした。

