- 「名前、なに?」 「かな。佐藤、かな。」 「ふーん。よろしく」 五月上旬。 だいぶ中学にも慣れてきた。 そんな時だったかな。 あたしは‘てっちゃん,に出会ってしまった。 てっちゃんは、学年でかなり目立つ男の子。 だから名前と顔だけは、直ぐに覚えた。 橘くんの言っていた人は、この人だったんだ‥と気づいた。