安定剤・眠剤・熱を下げる薬も全て効かないのです。
父は、痛い、胸が痛い。

ひょっとして、俺は、このまま死ぬのか?

っと、転げ回っていたのです。

度々、看護師さんや先生にも来てもらっていましたが、薬を沢山入れたり、酸素濃度を高くする位で、やはり、先生の言われた通り、手のほどこしようがなかったのです。

なんて辛い現実なんだろう。
私は、父の背中を擦って挙げることしかできませんでした。

おとん。おとん…。

ごめん。助けて挙げられなくて。

父は、母に傍に居て欲しかったようです。

母も少し休ませて挙げないとっと思い。休憩室で一息つかせて挙げていたのです。
父は、母の名前を言い始めたのです。

とてつもない苦しみを支えて欲しくて。

やはり、長年付き添ってきた夫婦です。

母に居て欲しかったのでしょう。

母には勝てないですね。

母は、泊まりで父を見守ることになりました。

母の体も心配。

私も、まだ病み上がり。こんな過酷な…。

父は、もう自分の命は短いと気付いたようでした。

私達家族も最後まで何も伝えずにいました。

この日も、母に任せることになり、一端私や兄や旦那、義理母も自宅に帰ることにしました。