それからも、数日に一度は母の様子を見に病院に行っていた私は、女性の方はどうされているか?

気になり、探してみると、数日前とは変わって、隅っこの病室で、一人で抗癌剤治療をされていたのです。
私は、お久しぶりです。

どうですか?っと、笑顔で接すると、女性の方は、私の手をギュッと力強く両手で握りしめ、涙を流しながら、よく来てくれましたねっと、私に伝えたのです。
私が、以前渡した手紙を一生忘れませんっと。

この手紙は、おかんの中に一緒に入れていきますっと。
手を離そうしたら、握っておいて欲しいと。

とても、不安で怖くて、辛くて、孤独で悲しくて、どうしようもない気持ちなんだと思いました。

私は、この時、頭に一瞬よぎったのです…

自分自身が、白衣のようなものを着て、病室のベットの上に横になって寝ている姿が、えっ。なんだろう…嫌な予感がする。

何故か?他人事ではなくて。