父の抗癌剤治療がはじまった。

一般の部屋では免疫力がもたない為、父は特別なクリ−ンルームへと移動になった。
自由が好きな父にとっては、たまらなく辛かったと思う。

抗がん剤からの副作用で、父のふさふさな髪の毛は、どんどんと、抜けていきました。

枕の上には、大量の髪の毛が日に日に抜けているのを見て、コロコロのテープを借りて、毎日掃除をしていました。

なんて、悲しい現実、父は、悔しさとイラダチと、苦痛と痛みに耐えていました。
励ます言葉なんてなくて…
背中を軽く擦って挙げることしかやはりできなかった。

小さな箱の中にいる、おもちゃの人形のような。

部屋の中で、病と闘う。

まるで、生き地獄のようでした。