この日は、交代で仮眠を取ったのか?

病院に泊まったのか?さえ頭の中が混乱して、今でもあまり思い出せない部分もあります。

義理の母を自宅に待たせた状態で、慌てて出ていったので、あまり覚えていなかったりです。

私は体も心もぼろぼろになっていました。

いずれは、自分の親も病気や体が衰える時がくるとわかってはいたけれど、こんなにも早く訪れるなんて…
母は60歳でした。

そして、何とか時間が経ち手術の時間がやってきたのです。

母は目を瞑ったまま、手術室への移動の為運ばれていた時の事です。

私は、思わず『お母さん、大丈夫やからね…大丈夫やからね…』っと、小さく話かけたのです。

すると、意識の無いはずの母が、目を瞑ったまま…

私にこう応えてくれたのです…

『頑張ってくるからなっと…』
手術を頑張ってくるという意味だったようです。

母は、必死で生きようと闘っているだと感じました。
こんなことってあるんだと驚きました。

この声を聞いたのは、私だけだったのです。

祈ることしか出来ないわたしは、大丈夫、大丈夫と自分にも言い聞かせていました。