「気を取り直して……その時だった! 突如、俺に向かって何かが物凄いスピードで飛んできたのだ」 「清水くん、飛んできたって、まさかボールとか?」 笑佳が尋ねると、清水は深刻そうな顔をして、頭を上下させる。 「そう、野球ボールが飛んできたんだ。それを避けるため、俺は瞬時に体を傾けた。そして、見事直撃を回避したのだ。……が、しかし。不幸にも俺は手を滑らせてしまい、茂みの中に大切な双眼鏡を落としてしまったって訳だ」 野球ボールが……。 私は、ちらりと清水を哀れみの目で見た。