単なるあたしのワガママで……春を傷つけた。


明日は……。
バレンタイン。
チョコは作ったけど……。
受け取ってくれるかな。
ううん……、その前にあたし渡せない。


「どうしよ……」


キッチンであたしは、膝に顔を埋めた。


でもあたし……。
やっぱり春が好きなんだ。


春の性格を嫌……なんて言って、あたし最低。
こんな嫌な子春は愛想尽かしちゃったかな。


「はぁ……」


溜め息をついてあたしは目を閉じた。


春、好きだよ。




「ん……」


眩しい日差しに目を覚ますと、あたしはキッチンで寝てしまっていた事に気付いた。


あたし……寝ちゃったんだ。


時計を見ると、朝の7時。


学校の準備しなきゃ。


あたしはゆっくりと立ち上がって制服に着替えた。
一瞬迷ったけど、手作りのチョコケーキをラッピングしてバッグに入れた。


渡そう……。
春に。
あたしの想いを。
特別なチョコになるように頑張ろう。