「翔ちゃん、よかったね! これで、翔ちゃんも声優さん」 美奈子が嬉しそうに、 目を見開いて 俺を見て言った。 いやいや え? なに? とりあえず、美奈子は置いといて・・・・・・ 俺は、冷静に考えた。 声優? はっきり言って、ないな。 大森さんの後頭部にむかって、 俺は口をひらいた。 「俺は、声優、やる気なんてありませんよ」 たんたんと告げる横で、 美奈子があんぐりと口を開いて俺を見ている。 こればっかりは、 仕方ないな。 俺は、声優になるつもりもない。 _