「翔ちゃん! 急がないと、間に合わないよぉ」



美奈子が、ぱたぱたと俺の前で手を引っ張りながら走る。



前にもまして、俺は美奈子に甘々だ。



時間ないとか


耳に入らず


上から覆い被さる。


美奈子がすっぽりこの腕の中におさまれば、うれしすぎる。



もう、このまま
こうしていたい。



「は、やくぅう」



美奈子は、俺から逃れようとしながら、押しのけたいんだろうけど、なにも変わらず、びくともしない。



まぁ、いっか



そっと、美奈子を離して


俺たちはアニメイベントの舞台にあがった。





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