「こんなんダメダメ、ボツ!」



あたしの携帯から、投げやりな男性の声が漏れる。


この言葉、何度浴びせられただろう。


あたしが"かんのれあ"というペンネームで新人賞で佳作を受賞し、デビューしてから二年、

打ち合わせのたびにこんな調子が続いている。