まあ初投稿だし――

なんて頭では言いながら、

心のどこかで期待したりしつつ、



「もしもし、わたくし光文(こうぶん)出版の秋本と申します。

菅野礼亜さんですか?

受賞おめでとうございます。


先日うちの新人賞に送って頂いた作品が、佳作に選ばれまして―――」



なんて

受話器から女の編集さんの声が聞こえた時には、


嬉しいとか驚いたとか通りこして、


ただただ頭が真っ白になって、


受話器を持つ手が震えていた。