かんのれあ

すると女性の編集さんが本棚の影から顔を出し、

こっちへ向かって手招きした。


「かがみん早くー。打ち合わせするよー」


鏡華さんは、物凄い勢いで振り向く。


「や、やめて下さいその呼び方!誰ですか、かがみんて!!」



どうやら鏡華さんの新しい担当さんらしい。


鏡華さんが、白雪のような肌を真っ赤に染めて、

恥ずかしそうに怒っている。



「んー?鏡華の"鏡"で、かがみん。

いいからホラ、早くおいで!飴あげるから!」


「馬鹿にしてるんですか!?!」



そう言いながら鏡華さんは、

これ以上好き勝手言わせないために、つかつかと新しい担当さんの元へと行く。



向こうに行っても、相変わらずそのやり取りは続いているようだけど、

相性は良さそうだった。