かんのれあ

こんなの、いけない事だってわかってる。


けれど鏡華さんと山崎さんが何らかの関係があるのはほぼ明白で、

そして何より、あたしの名前を出したら会ってくれないような気がしたから。


「山崎ですね、少々お待ち下さい」


受付の女性は編集部に確認の電話をすると、


「鏡華さま、大変お待たせいたしました。編集部までお越し下さいとの事です。

こちらの入館バッチを付けて、奥のエレベーターから9階へ行って下さい」


と、左手の指をそろえて、エレベーターのある場所を指した。