頬がほんのり熱をもつ。


周りの騒音が、がやがやという効果音に変わり、

もともと高いままだったあたしの気持ちを、

さらに、徐々に、高めてゆく。



河野さんは、鏡華さんと一緒だったけど、

一度桜色になった色水は、

再び鉛となってあたしを苦しめることは、もうなかった。



だって、不器用に涙を拭ってくれたあの事が、

あたしにはあまりにも大きい。




あたしは、そんな河野さんが離れていってしまう前に、

一体何ができるのだろう。