かんのれあ

「まぁ、
かんのさんもチャンスがあるうちに頑張れよ」


「はい!
ありがとうございます、頑張りますっ」



チャンスがあるうちと言うのは、シリーズが続いてるうちはという意味だろう。


逆を言えば
"今の作品が打ち切られればチャンスはないぞ"、

そういう意味もこもっていた。



胃が軋むのを感じながら、あたしは笑顔で思考回路を分散させ、

不必要な考えに至らないようにする。

しかし、考えを分散させすぎて、時々必要な話も頭に届かない事もある。


この度合いに苦しみながら、

顔見知りの作家さんを紹介してくれるという編集長と、会場を歩き回った。