「遅すぎる…」


部屋のベッドにうつ伏せながら、あたしは折りたたみ式の携帯と見つめ合った。


こっちから催促するのも何となく気が引けて、FAXがちゃんと届いたかどうかの確認すらしていない。


あれからあたしは新しいプロットを3本ほど書き溜めていた。


けれどやっぱりあの時書いたプロット以上に、愛着がわくものは作れていない。


そこにお母さんが、ドアを叩いて部屋に入ってきた。



「礼亜、光文出版から荷物届いてるよ」



そう言って差し出されたものは、デビューしてから毎月、

ノベルズ編集部が送ってくれる"月刊ノベルズ"だった。