「相変わらずうるさい店だね。」


シャンパンコールや馬鹿な人たちの笑い声ばかりで、早くもうんざりさせられる。


香織が隣で流星とイチャつき始めるのも、いつもの光景。



「お前、ホント失礼すぎだっつの。」


ジュンは笑っていた。


その笑顔に企みなんてないのを知っているから、少し安心させられる。



「百合、ビールだろ?」


そして勝手にそれを注文され、運ばれてきたグラスで乾杯した。


彼は煙草を咥えてふんぞり返ってしまい、随分と見下されたものだな、と思うけど。



「アンタさぁ、それが曲がりなりにも指名してくれた客に対する態度なわけ?」


「だって、お前に愛想振りまく意味ねぇし。
それより終わったら飯食いに行かね?」


「やだよ、待ってたら朝になるし。」


冷てぇなぁ、なんてジュンは言いながらも、そこに大した興味もなさそうだ。


あたし達は多分、店で会うよりずっと、店外で会う方が多いと思う。


けれどもそこに体の関係なんてなく、本当にただ、一緒にご飯を食べたり遊んだりするだけ。


だから居心地が良い存在なのかもしれないけれど。



「つか、最近どう?」


「別に大した変わりはないよ。」


ふうん、と彼は言う。


思い出したのは先ほどのアキトの言葉だけれど、気にしたくはなかったのかもしれない。


だって瑠衣と一緒にいることで、何が変わったということもないのだから。