眼下に望む景色があった。


世界はこんなにも広くて、たくさんの人がいる中で、あたし達は出会ったんだね。


一生のうちでは確かに短い時間なのかもしれないけれど、でも、共に生きた。



「出会うだけが運命じゃなくて、別れることも時に運命なんだってさ。」


そうだね、瑠衣。


きっと後悔していたからとしても、やり直すことだけが全てじゃないのかもしれないね。


傍にいることだけが大切じゃない。


彼はあたしに向き直る。



「今日、会えてホント良かった。」


「あたしもだよ。」


「何か自分の中で区切りがついたっつーかさ。
消化して、それでもまだ百合じゃなきゃダメだって思ったら、その時はちゃんと伝えに行く。」


「うん。」


「今度は自分の力でお前のこと探し出すから。」


もう、約束なんてしなかった。


瑠衣の言葉を借りるなら、例え何度別れたとしても、また出会える運命ならば、それはきっと叶うのだろうから。



「あたしは瑠衣のこと待つような女じゃないよ?」


「知ってる。」


ジュンのことは聞かれなかった。


けれど瑠衣は、あたしにとって彼がどれほど大切な存在なのかを、きっとちゃんとわかっているのだろう。


景色は眩しいまでに輝いていた。