一瞬沈黙が流れた後で、ジュンはわかった、と言った。



『とりあえず、お前今どこ?』


マンションの近辺の地名を告げ、近所のコンビニで待ち合わせることを約束すると、電話が切れてしまう。


が、あたしはふらふらと立ち上がり、放心状態のままに瑠衣の部屋を後にした。


少し歩き、コンビニの駐車場で待っていると、見慣れた車が横付けしてきた。


ジュンだった。



「乗って。」


声色は怒っているような、でも暗くてあまり表情は読み取れない。


無言のままに助手席に乗り込むと、休みだったのか私服の彼は、すぐに車を走らせた。


けれど、ろくな会話さえも出来ない。


街の景色が輝きながら流れる様をただ見つめていると、ジュンは閉店したパチンコ屋の駐車場に車を停車させる。



「で、何で泣いてたわけ?」


今まで散々無視していたあたしを責めるでもなく、彼は静かに煙草を咥えた。



「つか、ダメって何が?」


一体どこから話せば良いのかすらもわからない。


なのにまた涙だけが溢れてきて、膝を抱えると、瑠衣とお揃いの指輪の冷たさが頬に触れた。


何も答えないあたしに痺れを切らしたのか、彼はため息を混じらせる。



「あの男と上手くいってないなら、さっさと別れれば?
つーか俺、わかってると思うけど、お前の恋愛相談に乗ってやれるほど優しくはなれないから。」


突き放すような言葉は、当然だろう。


けれどもう、簡単には別れられないし、だからってジュンに頼ったって何も解決はしないのだ。


なのに、どうしてあたし達は、ここにいるのだろうか。