相変わらず、その言葉の意味するところはわからないけれど。


どうしてそんな風に、他人を見下すような目をするのだろう。



「あんなヤツやめて、俺にしとけば?」


数時間前に初めて会ったばかりの人に対し、やめるも何もないと思うけど。



「アイツにお前は無理だよ。」


そう、まるで全てを見透かしたような瞳は、細められた。


何を考えているのかわからない男だ。



「随分と自信満々な台詞だね。」


「お前は一週間の間に、随分な口のきき方するようになったなぁ。」


散々喘いでたくせに。


そう付け加えられた台詞に、あたしは肩をすくめることしか出来ない。


沈黙はどれくらいだったろう、それを打ち破ったのは後ろからのアキトの声。



「俺、さっきのラーメンで食当たり起こしたかもー。」


「汚ぇなぁ。
変なモン食うからだろ。」


瑠衣は何食わぬ顔で、そんな彼を迎える。


まるで先ほどのことが嘘のようで、殊勝な男だと思ったが。


アキトはへらへらとしたまま、当然のようにあたしの横に腰を降ろし、勝手に人のビールを奪ってしまう。



「てか、自分の飲みなっての。」


「良いじゃんかぁ、俺と百合の仲なんだし!」


「意味わかんないこと言うな。」


ぺしっと叩くと、彼はやっぱり笑っていた。


瑠衣は気にしてもいない様子で、煙草の煙をくゆらせる。