「じゃあもう、解散しましょう。」


グレーだった空はいつの間にか真っ暗になっていて、気付けば外はネオンの色に満ちていた。


真綾は一度あたしに笑い掛けた後で、黙って立ち上がる。


ジローも同じように席を立つと、



「送るよ、真綾。」


「何なん、キモいわぁ。」


そう言いながらも、彼女は物珍しそうな顔で笑っていた。


こんな状況とは言え、内心嬉しいのかもしれない。



「良いから!
それと、百合も帰るだろ?」


あたしまで?


一瞬眉を寄せたが、でも遠慮しておいた。



「あたしまだこれから用事あるし、気にしないで真綾だけ送ってあげなよ。」


「そう。
じゃあお疲れね。」


とだけ言った彼は、大して気にも留める様子さえなく、真綾を連れて事務所を出て行った。


最後なのにいつも通りなのは、やっぱりジローらしいところだろう。


残されたあたしと詩音さんは、どちらからともなく顔を見合わせてしまうが。



「そっか、百合ちゃんも辞めちゃうんだね。」


噛み締めるように言った彼女に、



「…何か、すいません。」


「良いのよ。
絶対にいつかは別れが来るんだし、少し寂しいけどそれは仕方のないことだから。」


そう言って伸びをした彼女は、立ち上がり、窓枠に手をついて外を眺めた。


あたしもその横に立ち、同じ景色を目に映す。