「つーか、百合ももっと飲めって!」


憎んでるヤツがいる、と言った時の笑顔そのままに、アキトは笑う。


そこへ、瑠衣が注文したたくさんの焼き鳥が運ばれて来て、彼らは当たり前のようにそれに手をつけていた。



「お前、それ俺のだっつの!」


「ほらぁ、これだから瑠衣は嫌なんだよ。
ひとりっこでーす、ってオーラ出しまくりでさ!」


「てめぇもひとりっこだろ。」


不思議なふたりだ。


子供みたいな喧嘩を前に、思わず呆れたように笑ってしまう。



「あんたら食べ物取り合うとか、どうなのよ。」


あたしが言うと、やっぱり大爆笑なのはアキトだけ。


瑠衣は不貞腐れたように肩をすくめていた。



「てか、仲良いんだね。」


その瞬間、ふたりは驚いたようにこちらに顔を向ける。


それにはさすがに、何か変なことでも言っただろうかと、あたしの方が逆に困惑してしまうが。



「俺らが仲良い、って?」


鼻で笑ったのは瑠衣だった。


が、すぐにそれを遮るようにアキトが言う。



「瑠衣、やめろって。
百合が困ってんじゃん。」


ごめんねぇ、なんて彼はあたしに向け、付け加えた。


思わず愛想笑いしか返せないけど、今度冷たい瞳になったのは、瑠衣の方。


滑らされたそれは、まるで光さえも失っているかのよう。