だからずっと待っていてくれたのだろうか。
すっかり忘れ、ジュンのために金を使っていたあたしの誕生日を、瑠衣は祝おうとしてくれていたのにね。
少し前、どこか旅行に行きたい、と言ったのはあたしだった。
言い訳を並べればキリがないけど、でも何ひとつ考えていなかったのは、本当のこと。
気付けばハタチになっていた。
「なぁ、俺はお前のこと好きだよ。
だからもう、さっき言ったことは忘れよう?」
そっと涙が拭われ、唇が触れた。
ジュンのキスが塗り潰されて、でもやっぱり瑠衣を受け入れていた。
結局は忘れられるはずもないというのに、どうして頷いてしまったのだろう。
さよならと言える強ささえなくて、離れるのが互いのためだったはずなのに、それでもまだ、あたし達は寄り添おうとしていたんだ。
手を繋いで別々の方を向いていたね。
踏み出す一歩も向かう先も違うあたし達は、なのにそれを離すことが出来なかったから、進めなかった。
目の前には、同じ道もあったのに。
なのに、どうして一番簡単なそこを選べなかったのか。
「百合、もう寝ようぜ。
昼前に起きればまだどっか行けるしさ。」
あたしは未だ瑠衣の胸の中で、小さく首を横に振った。
「ここにいたい。」
そっか、と瑠衣は呟く。
「じゃあ、何か欲しいもんある?」
愛してほしい、とは言えなかった。
今はただ、何もかもを酒とこの街の所為にして、彼の腕の中に収まっていたかったんだ。
瑠衣のことを好きな気持ちも、変わりはないはずなのに。
すっかり忘れ、ジュンのために金を使っていたあたしの誕生日を、瑠衣は祝おうとしてくれていたのにね。
少し前、どこか旅行に行きたい、と言ったのはあたしだった。
言い訳を並べればキリがないけど、でも何ひとつ考えていなかったのは、本当のこと。
気付けばハタチになっていた。
「なぁ、俺はお前のこと好きだよ。
だからもう、さっき言ったことは忘れよう?」
そっと涙が拭われ、唇が触れた。
ジュンのキスが塗り潰されて、でもやっぱり瑠衣を受け入れていた。
結局は忘れられるはずもないというのに、どうして頷いてしまったのだろう。
さよならと言える強ささえなくて、離れるのが互いのためだったはずなのに、それでもまだ、あたし達は寄り添おうとしていたんだ。
手を繋いで別々の方を向いていたね。
踏み出す一歩も向かう先も違うあたし達は、なのにそれを離すことが出来なかったから、進めなかった。
目の前には、同じ道もあったのに。
なのに、どうして一番簡単なそこを選べなかったのか。
「百合、もう寝ようぜ。
昼前に起きればまだどっか行けるしさ。」
あたしは未だ瑠衣の胸の中で、小さく首を横に振った。
「ここにいたい。」
そっか、と瑠衣は呟く。
「じゃあ、何か欲しいもんある?」
愛してほしい、とは言えなかった。
今はただ、何もかもを酒とこの街の所為にして、彼の腕の中に収まっていたかったんだ。
瑠衣のことを好きな気持ちも、変わりはないはずなのに。


