「ねぇ、あんたらいくつ?」


「俺が23で、瑠衣は24。」


ふうん、と返した。


瑠衣はやっぱり興味もなさそうに、咥え煙草のままにメニュー表を見つめていた。



「百合こそいくつ?」


「あたし、じゅーく。」


「若いねぇ!」


と、笑うのは、やっぱりアキトだけ。


瑠衣は時折こちらを確認するように視線を滑らせるが、でもあの日のことには何も触れない。



「つーか、瑠衣の顔怖いから!」


アキトは当然のように笑っていた。


こんな危ない男と平然と一緒にいる彼もまた、怪しいとしか思えない。


人当たりの良さそうな顔してにこにこしてるけど、貼り付けた笑顔の裏で、一体何を考えているのか。



「まぁ、良いけどさ。」


と、言った彼は、再びあたしに笑顔を向けてきた。



「百合ってキャバっぽいけど、どっかの店で働いてんの?」


「あたし、キャバなんて面倒なもんしないし。
毎日その日暮らしに生きて、適当に稼いでんの。」


それは事実だった。


明日のことなんて何も考えていないあたしは、いつもその日限りを生きている。



「お金は裏切らないから。」