クビにする、という言い方は聞こえが悪いのかもしれないが、でも単純に体を売る子が減るということにほっとさせられる。


例えばまりんちゃんのように繋がれて泣く女の子を見るのは忍びないし、それ以前にこの店は法に触れている。



「とりあえず、まりんと美鈴とリオンと真綾と…」


「ちょっ、待って!」


耳を疑い、さすがに制止した。



「真綾も?!」


と、言うと、ジローは煙草の煙にため息を混じらせる。


何故か沈黙は重くなる一方だ。



「百合、真綾の病気のこと、知ってる?」


「…うん。」


「じゃあ、今どれくらいヤバいかもわかってるだろ?」


どれくらい、ヤバいか?


言っている意味がわかんなくて、でもそれが良い話でないのは伝わってくる。


ジローはまた息を吐いた。



「アイツがてっとり早く大金を稼ぎたい気持ちだってわかるし、理由も知ってる。
でも、もうこれ以上無理させたら、命に関わるんだ。」


命に関わるなんて、そんな話は知らない。


だってあの子はいつも、たらふく食べて、嬉しそうに笑っていたじゃないか。


いつもみんなの中心にいた彼女を想像すると、あまりにも大きなものを失うことになるだろう。



「どのみちもうすぐ目標金額だって言ってたし、なら一日でも早く辞めるべきだ。」