これ以上は聞きたくなかった。


けれど、堰を切ったようなジュンは、たたみ掛ける。



『流星くんがパクられたんだよ!
見てた人がいて、女の子も一緒だったって!』


香織だろう。


ふたりが一緒に捕まったとするなら、シンナーかハッパでほぼ間違いはない。



「さっき、あたしの方にも連絡きたよ。
香織がパクられた、って。」


そこまで言うと、ジュンも全てを把握したのだろう、嘘だろ、と漏らした。


あの日、喧嘩別れをしたのを最後に、香織と連絡を取ることはなくなっていた。


今更になって、そんなことが悔やまれる。



『ごめん。
本当なら今からでもお前んとこ行ってやりてぇけど、俺も店に呼ばれてるから。』


「うん、大丈夫。」


全然大丈夫ではない、けれどそれしか言えなかった。


ジュンだってあんなんでも肩書きのある身だし、あたし達が一緒にいたって状況は何も変わらない。


また連絡するから、と言われ、電話が切れた。



「百合、何があったんだよ!」


視界に入った瑠衣に、動揺が隠せない。


ほんの数分前まで嬉しい話で心躍らせていたというのに、そんなものさえ消え失せていた。



「パクられた、って何だよ?!」