あと数ヶ月後には、あたし達はハタチになる。


その目に見えた数字の変化は焦りにも繋がり、余計に追い立てられるのだろう。



「それにさ、あたしは流星にもっと輝いててほしいの。
流れ星みたく消えるんじゃなく、この街で伝説になれるくらいにさ。」


ろくでもないだけの関係だと思っていたけれど、珍しく香織は女の顔を見せる。



「色枕の最低男だけどね、アイツはホストじゃなきゃ生きられないから。
んで、弱いとこもあんのよね。」


それをわざと見せるのが流星の手口でしょ、なんてことは言えなかった。


そこにはもしかしたら、ふたりにしかわからないことがあるのかもしれない。


流星だって人間だ。


ただ、それで結果として香織は、彼のために体を売っている。


非情になるならば最後まで、なんて言うけれど、その甘さ故にあたしは、あの男が嫌いだった。


香織が一緒にシンナー吸ってやることは、流星をダメにしているだけなのだから。


それで最後の最後に捨てられたら、彼女は一体どうなってしまうのか。



「そんなに良い男かねぇ?」


ろくでなしだけどね、と香織は笑った。


あたしとしてはジュンの方がホストとしてもずっと良いと思うんだけど、ひいき目で見過ぎなだけだろうか。


ただ、それでも、大切なものがはっきりしている彼女が少し羨ましくもあった。



「まぁ、ホントに大学辞めてまで入れ込んで後悔しないのか、もう少しじっくり考えなよね。」


はーい、と言う香織は、酔っ払いみたいに隣のヘルプの男に絡む。


悲しいかな、所詮は金を払わなければお姫様になれない城。