本当に久しぶりに、街から程近い場所にある総合病院に行った。


別に風邪を引いているわけでもなければ、カウンセリングにきたわけでもない。


あたしは体を売るという仕事上、定期的に婦人科検診を受けるようにしているのだ。


確かに避妊はしているとはいえ、どんな問題があるかもわからないから。


病院は嫌いだけど、でもここに親はいない。







「真綾?」


検診を終えて病院から出たところで、真綾とばったり会ったことに驚いた。


彼女も驚いた顔をしてて、ふたり、笑ってしまうのだけれど。



「百合りん、どっか悪いん?」


「真綾こそ、誰かのお見舞い?」


そんなことを言いながら喫煙スペースのベンチに腰を降ろすと、彼女も横に座った。


冷たい風が吹くが、でも事務所にいるよりはずっと良い。



「ここでうちに会ったの、誰にも内緒にしといてなぁ?」


「どうして?」


「だって知られたくないやん。」


うちが心臓病やって。


そう付け加えられた台詞に、目を見開いた。


彼女は虐待されていたと言ってた時と同じく、事もなさげに笑っている。



「ちょっと、その冗談はないでしょ。」


「残念ながら事実やんねん、これが。」


何故かピースをし、



「やから金貯めてるって言うたやろ?」