コイツ、今度は誰と?


言い掛けたが、これ以上余計なことを聞いたって無意味なだけだろうと思った。



「狂ってんね。」


「百合も含めて、ね。」


願わくば、一緒にしないでほしいのだけど。



「人の気持ちも、ゲームみたく操られるんだね。」


「じゃあ、百合は操られないように頑張ってね。」


「忠犬に言われたくないから。」


鼻で笑ってやったのに、



「百合だって似たようなもんでしょ。」


そうだ、あたしだって同じだ。


どう思ってようが、結局あたしは辞めないし、この店のために働いている。


同類嫌悪とは、コイツとあたしのためにある言葉なのかもしれない。



「ねぇ、ジロー。」


真っ直ぐに、目を合わせた。



「アンタは辛くないの?」


本心を聞きたかったのかもしれない。


でも、あたしではその顔を崩すことは出来ず、



「それじゃあね。」


ジローは部屋を出ていった。


この街では、金に蝕まれ、きっと誰も正常ではいられないのかもしれない。


けれど、染まっていることを受け入れていたジローは、やっぱりあたしと似ているようで違っていたね。