でも、休んだ先にあるのは、時間を食ったせいで余計に危険に曝されるっていう、事実だけなのだ。

浩之は歩き出した。

そして、エイジュについて部屋を出ようとしながら、ふと足を止めた。
 
足元に、さっき浩之が放り出したままになっている、本があった。
 
英樹が持っていたのと同じ、あの本だ。
 
英樹がいなくなるずっと前に、ヤツの部屋で見つけたのだ。

それには、アンドロイドのことが書かれてあった。
 
その時の最新の技術と、アンドロイドを造り出せる可能性が、分かりやすく書かれてあったのだ。
 
だけど、持ち出して勝手に読んでいたら、すぐに見付かって取り上げられてしまった。