あまりに現実離れした言葉に、浩之もさすがに驚いた。

「ちょっと待ってよ。オレは時田英之じゃない」

長髪の方が、浩之を見てニッと笑った。

「時田浩之だろう?

オレ達は人違いしている訳じゃない。

まあ、そもそもは、エイジュがお前を英樹と間違えたせいで、お前も消さなきゃならなくなったんだがな」

エイジュっていうのは、オレを殺そうとした、あの子のことかな。

昨日、浩之に銃を突きつけた彼女の姿が、簡単に頭の中に甦った。