「美憂、原野に関わるな。絶対に。」

「ん…分かってるよ…」

「桜井のそばにいるんだぞ。送り迎えは俺がするから。」

「…何で?」

「言っただろ、危ないんだって。」

「いつもそうじゃん……」

「は?」

「何があっても危ないからって!何も聞かされてなきゃ分かんないよ!」

何度かこういうことがあった。そのたびに

「1人にはなるな」
「桜井と一緒にいろ」

って…

何でって聞いても

「危ないから」

それしか言わなかった。

ほんとの事を言ってほしい。

あたしバカなんだから…分かんない……

教えてよ…、大ちゃん…っ…


もと来た道を戻り、家についた。

「じゃあな…明日迎えに来るから…」

返事もせず、家に入った。

誰もいない家はシーンとしてて、急に1人が怖くなった。

机を見ると、お母さんの字で

【今日はお父さんもお母さんも帰れそうにないので、ご飯作って置いておきます。
チンして食べてね。】

と書いてある置き手紙があった。

明日まで1人ってことか……もう慣れた。

お父さんが帰れないのは珍しいことじゃない。お母さんはあんまりないけど……


「はぁー………」