昼は消えつつ ものをこそ思へ 大中臣能宣(49番) あなたの腕の守られて わたしという名の、火が燃える あなたの挿し込む 一本一本の木が わたしをたぎらせ、燃え盛す 火の粉はしぶきをあげながら 天に舞い散り バチバチと雄叫びをあげる あつい あつい 体の奥からこみ上げる温度で 焼け死んでしまいそう そんなわたしを抱くあなたは もっと熱く、太く、とり囲み 一滴ももれない炎となって わたしとからまり、一つとなる 昼のわたしは ただの消し炭