俺の心拍数も上がり、このまま抱き締めてしまいたい衝動にかられた。


手を伸ばそうとしたとき。


「何してるんだ。俺の真子に触るな!」


若に突き飛ばされた。


「銀ちゃん! 」


真子さんが泣きそうだ。


「とっとと部屋出てけ。マサが中々戻って来ないから、心配になって来たらこのざまかよ。人の弱みにつけ込んでやってくれるよな。」


若に俺の気持ちがばれてる。


「銀ちゃん何言ってるの。マサさんは銀ちゃんの事心配して、私の様子見に来てくれたのに、そんな言い方酷いよ。」


やはり、若には俺の気持ちがお見通しのようだ。


真子さんは全く気付いていない。


真子さんが気づいてなくて良かった。


「真子さん、長居してすみませんでした。」


頭を深く下げて部屋を出た。


俺の気持ちを若はいつから、気づいていたのだろうか。


もしかして、最初から。


不味いな。


何とか隠し通したい。


たとえ、この気持ちがばれてたとしても、認める訳にはいかなかった。