「じゃー、テストお疲れさま、アーンド、バンドフェス頑張ろうぜ!! かんぱーい」


宴会部長である睦緒が、なぜかすでに上半身裸でビールジョッキ片手に音頭をとった。


「カンパーイ」
「カンパーイ」
「お疲れー」


皆、ビールを片手にカチャリとジョッキを合わせ乾杯。


私も近くに座っていた若宮くん、聖二、莉胡、音々先輩、そして……東雲部長とジョッキを合わせた。


飲み屋の一室を借りて、長テーブルが2列に並んでいる。


その上座に部長。その向かいには音々先輩が座っていた。


私は部長とフルートの1年生の若宮くんに囲まれていて。


真向かいには聖二。


聖二は音々先輩と莉胡に囲まれている。


早くここに来てよかった。

いつも上座には部長と音々副部長が座るから。


今日こそは、って、密かに東雲部長の隣の席を狙っていたんだ。


私、部長のこと、好き……っていうか、なんて言うか……。


何か、気になる存在なんだよね。


背が高くて細くてひょうひょうとしているんだけれども。


どこか、哀愁を感じてしまう。 


ずっと、見ていたい。


ずっと、傍にいたい。


そんなひと。