小さな約束



それより、こいつが部屋に入ってきてから、胸のモヤモヤが増えた気がする。


なによ。『おっはよー!!』って。
私には、そんなに明るく挨拶なんてしてくれた事無かったくせに。


――ドキ


だから、日陽なんて大嫌い。
だから、きっとさっき胸が痛んだのも、笑顔にドキンと来たのも、ただの思い過ごしなんだよ。


「でっ!!今日は、服を買いにいこー!!」


ものすごいノリノリで言う日陽に、『ほんと日陽って買い物好きだよな〜。』と内心呆れながらも、ウキウキしてきた。



でも、たとえ『元』でも好きな人。

一緒にショッピングだなんて、すっごく嬉しい!!
「じゃ、今からいけるか?」

いつもとは違う、優しい声。


その低くて優しい声に、また惚れてしまいそうな私がいる。


私は、都合がいい女なのかな?

だって、嫌い!とか言い張ってたのに、次の日には、惚れてしまいそうとか。


「うん。大丈夫だよ!」


私が、子供っぽく元気に言うと、日陽は少し微笑んだ。私は、それに着いていく。









日陽に着いていき、外に置いてあったバイクの前で止まる。



「乗れる?」


私はこくんと頷き、日陽に手伝ってもらってバイクに乗った。