「今回、すげぇ頼んだし。多分もう認めてはくれてるよ。ただ、意地はって口は反対だって言いながら。」

そう言ったパパが優しく微笑んだ。この顔は大体、ママのことを考えているときの顔だ。


「どういう風に言って頼んだの?」

あのママを説得出来るのは…凄いしな。聞きたい!!


「結愛のいる学校だから、やっぱり趣味として教師を続けたいんだ!ってな。
ただ、教師はあくまでも趣味なわけでこれからも本職は会社経営だがな。」

「へー…。」

「リアクションはそれだけかよ…。」

「他にある?」

「いやぁ、…無いです。」

でも、やっぱりそういうところは凄い。多分パパは教師の仕事も絶対に手を抜いたりはしないだろう。その他に会社経営…。
なんで、そこまでして…。

あ、そうだ。


「あのさ、パパ…。学校で馬鹿みたいに目立たないで。
妙に腹立つ。」

そう言うとパパはニヤッと笑った。そう。あれはいつもママをからかうときにする表情。…やな予感。

「なんだ、なんだ?結愛、ヤキモチか(笑)?ヤキモチ妬いてんのか?」

「いや、違うもん。
五月蠅いだけだもん。」

これは事実。女子の黄色い声が五月蝿く感じるくらい酷い。
まぁ…ヤキモチもあながち間違いじゃないが、悔しいから絶対言ってやらない。


「そ、そっ…か…。」

「…なに落ち込んでんの?」

「いや、なんでもねぇ。」

「本当…ママの前と全然違うよね~。
こんなに弱くなっちゃって(笑)」

「パパっていうのは、娘にはみんな弱いんだよ…。
ママには違う意味で弱いけどな(笑)」

「そんなことよりでも会社いいの!?
教師をやりながらどうやって会社経営までするつもり?」

「それについては
大丈夫。
結愛は気にすることねぇよ。」