次の日。
弁当を開ける。
オトン、弟の言葉を思い出して…そして、食べる。
まぁ…キュウリ入ってるし。

帰宅。
いつものように弁当を渡す。

オカンが弁当をフタを開ける。

「おっ!残さず食べてる!」

ふっ。

「やればできるんだよ。」

「この調子でね。明日も残すなよ。」

「へいよ。」

という一通りの会話の後、風呂に浸かる。

「ふぅ〜。」

弁当残さず食べただけなのにオカン。
喜んでたな〜。

弁当って一種の愛情の表現場なんだと思う。
作る側と食べる側の。

俺は、オカンが朝早く起きて作ってくれた弁当を感謝の気持ちで残さず食べる。その気持ちは、カラになった弁当を見れば伝わるんだ。

これこそ言葉はいらない、行動で示せってやつですね。

愛情は飢えるとかじゃねぇ〜な。
愛情は与えるもんなんだよ。

与えるんものだから飢えるはずがないじゃん。

のか?いや分かんねぇよ。いつか分かるだろう。

風呂から上がるとテーブルにはおかずが並んでいた。
で、オトンが

「酒飲むか?」

「…じゃあ少しだけ。」

すると、オトンがわざわざコップを用意してくれた。

「コップ持てよ。」

酒をついでくれる。

俺も酒をつぎかえす。

……。
やっぱ酒はうまい。

ん?これも、考えようによっては愛情表現か?

酒好きのオトンの酒の相手。

いつもじゃないけど飲むって言ったらオトン嬉しそうだもんな。

こんな些細なもんでいいのかな。
俺の愛情表現。