「……え、相楽?」


一瞬、幻かと思った。


視線の先に立っていたのは、
クラスメートの相楽誠(サガラ マコト)。

三年間クラスが一緒の、
私にとっては貴重な男友達。


カッコ良いし、凄く良い奴なんだけど…

その真面目な性格故に、
みんなからは敬遠されがち。

本人にも社交性が欠如していて、
友達は一向に増える気配がない。


彼が本当に仲がいいのは、
部活の仲間くらいだと思う。

私も他の人よりはよく話すけど、
心を開いてくれてるとは思えないし。




(それにしても……)


私は反射的に腕時計を見た。

今はまだ授業中のはず。


なのに、どうしてここに……?




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