「うっゔ……」






とある平日の午後。

私は誰もいない屋上で、
声を殺して泣いていた。


目から止め処なく零れ落ちる雫が、
強い日射しでカラカラに乾いた
コンクリートに吸い込まれていく。


それはまるで、
私の心にジワジワと広がっていく
黒い染みを具現化したようだった。




時刻は二時過ぎ。


五時間目は、
もうとっくに始まっている。






つい数十分前、私の初恋は
あまりに呆気なく幕を閉じた。




――――それも、最悪な形で。




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