「─ねぇ、莉奈。」



私は、彩夏に呼ばれて振り向いた。


今は、数学の授業中。


私の最も苦手な教科だから、私は真面目に聞いてなかった。


だって、どーせわかんないんだもん。



「なに?」



なるべく小さい声で聞き返す。



「莉奈ってさ、好きな人作る気ナイの?」


「そりゃあるよ?」



私は、恋というものをしたことがナイ。


幼稚園から共学なんだけど‥。


今のところ2ヶ月に1回以上のペースでコクられているけど、全部振っていた。