レラはそう言って少し微笑んだ。

「何言ってんだよ。」

神様になる?

「そんなこと出来るわけない。人間が神様になるなんて…。」

俺がそう呟くと、レラはちょっと困った様に笑った。

「神様にはね、二種類あると思うの。

本当に存在しているかもしれない神様と人が作り出した神様。」

「人が作り出したものの神様なら、これから始まっていくクローンの神様なら私はなれる。」

「私は一番目より前、存在しないはずのゼロ番目のクローンだから。」

レラはそう言って屋上の淵へと、自らの生涯の淵へと足を伸ばした。

「レラっ」

俺は駆けていた。

数歩先にいるレラを抱き止めるために…。

レラを世界に留めるために…。