「そうそう!それで、僕の今回の相談なんですけど」

さっそく本題に入ることにした。


「そうだったな。何でも話すが良い」


「ありがとうございます。ええと、恋愛関係の話なんですけどね……」


「ほう」


「僕は好きな人がいて、その人にどうやったら好かれるかアドバイスを戴きたいんです」


「私の経験から言って、まず、好意を相手に伝えることが大事だな」


「はい」


「若い女を落とすには、薄暗いダイニングバーが良いな。適度に酒を飲ませて、距離を縮めるんだ。軽いスキンシップが可能な程度にな。もちろん精神的な距離も……」


「はい」


「いきなりホテルに誘ったりするのはNGだ。夜景がきれいなところに行ったりして、とにかくムードを作るんだ」


「はい」


「それから、うちで飲み直さないかと誘う。OKが出たら、タクシーで直行。自分のテリトリーに入れてしまえばこっちのものだ」


「先生、僕、未成年です」

「そうだったか」


「ダイニングバーなんて大人の行くところには入ったことも無いし、自宅にはおとんとおかんがいます」


「じゃあ、今のアドバイスは5年後くらいに参考にすると良いな」


「はい。
で、今はどうしたら良いでしょうか……。
相手が僕のことをどう思っているか、不安でしょうがなくて……」



「好きな相手というのは有木めるのことだな」


「先生、なぜそれを!?」


図星だった。

さすが先生だ。