鍛えぬかれた……とまでにはいかないが、それなりに引き締まった良い体をしている。


続いて、トキオはベルトを外してジーンズを脱いだ。

ねずみ色のトランクスだ。
ねずみの模様までついている。

これは、お洒落なのか!?


下半身も適度に引き締まっている。

すね毛レベルは五段階の三。

平均的だ。

ちなみに僕のすね毛レベルは七だ。



「山田丸……」

トキオが言う。


「はいっ。何でしょうか」


「じろじろ見るなよ。気持ち悪いな」


「み、見てなんていません!」


「それなら良いけど」

トキオはそう言うと携帯をいじり始めた。


「ねずみの柄のパンツなんて、どこで手に入れたんですか?」


思わず聞いてしまった。



「あ。これ、インポート物だよ。代官山で買ったんだ」

トキオが答える。

なんだかわからないが、意外とファッションにはこだわりがあるみたいだ。


「っていうか山田丸。パンツの柄とかチェックするなよ……。気持ち悪いな」


「あはははは。すいません。ちなみに僕のパンツはどうですか」


「どうって……黄色いな」


「ラッキーカラーなんです」


「へえ……」


「形が気に入って買ったんです」


「へえ……っていうか、俺、お前のパンツに興味ないから……」


「あははは」


気まずい空気が流れる。