「そ、そうだ。サンドイッチのお礼に、僕のおにぎりあげますよ!」

僕は、タッパーからおにぎりを取り出して、ナナフシに差し出した。





その瞬間。







すごい早さで、ナナフシは僕の手をはたいた。


「痛いっ」


おにぎりが宙を舞う。


空中で分解し、おにぎりの破片は床に飛び散った。


「僕のおにぎりがぁ!」

あまりのことに、涙が出てきてしまった。


「ナナフシ!何てことするんだ!」


「失敬。体が拒否反応を起こしてしまった。床に散らばった米は掃除しておくように」


「ナナフシがやったんだろ!?お、おまえが片付けろよう。僕は絶対にやらないからな!」


「そんなおにぎりを僕にすすめる君が悪い。さあ、さっさと片付けるんだ」

ナナフシはそう言うと、椅子から立ち上がった。


そして、今やってきためるに笑顔で近づいて行った。