「よーし、みんな席座れぇ」

…さっそく、長崎先生のお出ましですか。
相変わらずイケメンですね、あなたは。


溜息をつきながら、わたしはトボトボと席に着いた。

「では、そーだなぁ。…自己紹介でもするかぁ!」
「「「えぇッッ」」」

教室中は大ブーイング。
もちろん、わたしも。

だって、3年にもなって自己紹介とか…。
ってか、わたしの番になったら確実に目ぇ会うし!

そんなのダメ、ダメ!!

「いやぁ、俺ここ来て2年目だし? みんなのこと、知りたいと思ってさぁ」

…そんな。
あなたにそんなカオで言われたら、言い返せません。

それはみんなも同じみたい。
教室は静かになったもん。

「じゃ、誰からいこっか」

先生の言葉に女子は、“センセーのこと聞きたぁい”だとか、
“私のこと聞いてぇ”だとか言ってる。

…うるさいっての!


「ん〜。名簿順でいっか」

わたしの名簿は…。
8番かぁ(´ω`)
……は、8番っ!!!?

えっ、ちょっと!
今すでに7番まできてるんですけどぉっっ!!


「7番、小堺っと…。次、8番。…小宮」

うっ…。
先生、声がひきぎみなんですけど……。

「は…、…はい……」


ぎぃっ、と椅子が鳴ったのにビックリしながら、わたしはゆっくり立ち上がった。