みんなを騙して、
乙女の思いを踏みにじって、
樋佐木君の迷惑になるようなことをして、
そして何より、
こいつがこれを利用して
護の隣にいることのできる
特別な女の子になろうとしているのが
とても許せなかった。
怒りがふつふつと湧き上がる。
このまま殴りかかっても良かったが、
ここで問題でも起こせば
即生徒指導室行きになって、
親、または親戚を
呼ばれることになってしまうだろう。
親は来ることは100パーセントなくても
親戚が来るのは100パーセントだった。
うちは親と同じくらい
親戚のことが嫌いだった。
だから、少しでも関わりたくない。


