少し退屈し始めた時、
―――ズボッ! ズボッ! ズボッ!
そんな音が小さく三回聞こえ、私がずっと見ていた人影が……消えた。
「・・・え、え……っ!?」
一体何があったの!?
消えた時の光景を、脳裏に蘇らせる。
あれは……あれは……穴に吸い込まれて、消えた……! 水が吸い込まれていくという、近づいて遊んでいたあの穴だ……!
「・・・ね? おこったでしょ? ”タノシイコト”が……! あはははっ!」
優里は愉快そうに笑い始めた。
周りから見れば、ただ普通に笑っているように見えるかもしれない。プールだから。話しているから。
だが……笑っている理由を知っている私から見ると、その笑いはどこか不気味だった。
―――こ、これが……優里の言っていた”タノシイコト”!? なんてことなの……!!
優里は声をあげて笑うのはやめ、その代わりとしてなのか……私をみつめながらにやりと不気味に笑ったのだった。

